Story of Sapphire

ここまでルビーを中心に話を進めてきましたが、少しだけほかのカラーストーンのお話しもしましょう。2カラットのルビーが一つ4,000万円と聞けば、よほどの資産家でないと二の足をおふみになるでしょう。なにしろたった一粒で都内の新築ワンルーム・マンションが買えてしまうのですから・・・でも同じ4大宝石仲間でもサファイアなら、ずいぶんと敷居が低くなります。あまり知られていませんが、実はルビーとサファイアは同じ石です、酸化アルミニウムという鉱物にクロムが混入すればルビー、鉄とチタンが混じればサファイアになります。このようにルビーと兄弟関係にあるサファイアですが、色は全く違います。下の写真はミャンマー産のロイアルブルー色(注1)のサファイアですが、海の底を思わせる実に深みのある見事な青色です。

ミャンマー産非加熱サファイア3カラット、見事なロイアルブルーの石です

(ミャンマー産非加熱サファイア3カラット、見事なロイアルブルーの石です)

注1)ミャンマー産サファイアのみに与えられる最高級石の呼び名で、イギリス王室に愛されたサファイアの色です。ルビーにおけるピジョンブラッドに匹敵する希少性を持ちます。

サファイアはマダガスカルやカンボジア、オーストラリア、スリランカなど世界の幅広い地域で産出されますが、なんといっても最高峰はカシミール産です。ミャンマーのロイアルブルーと違い、やや白みを帯びたなんとも柔和な色合いが特徴です。3カラットほどの大粒石で高品質のものなら、少なくとも2000万円以上で店頭に並ぶことになるでしょう。ミャンマーのロイアルブルーに対し、こちらはコーンフラワー(矢車草)ブルーと呼ばれ、宝石愛好家にとって垂涎の的です。ただし残念ながらカシミール地方でサファイアが採れたのは、19世紀末の僅か20年ほどの間だけです、それ以降新たな石は出なくなり、現在売買されているのは還流品(注2)だけです。

注2)いったん誰かの手に収まったあと、売却されて市場に出てきたものをいいます。カシミール産の大粒サファイアは海外のオークションでは時々姿を見せますが、日本国内の店頭で売られることはまずありません。百貨店で売られたら、いったいいくらの値札が付くのでしょう・・・

カシミール産に次ぐ価値を持っているのは、ルビー同様ミャンマーのモゴック産サファイアです。現地のバイヤーに聞いたところモゴックで売られるサファイアとルビーの比率は3対7程度と、圧倒的にサファイアが少ないのですが、不思議なことに同地方のサファイア相場はルビーほど高くはありません。

ミャンマー現地のバイヤーから送られてきた非加熱サファイアの写真、大粒の石で5カラット以上ありました、この程度の品質の石なら国内の宝石店で3,000万円ほどの値で売られます

(ミャンマー現地のバイヤーから送られてきた非加熱サファイアの写真、大粒の石で5カラット以上ありました、この程度の品質の石なら国内の宝石店で3,000万円ほどの値で売られます)

上記でモゴック産非加熱ルビーの、2カラット最高級石の国内市販価格を4000万円程度とご紹介しましたが、サファイアなら今でもロイアルブルーの素晴らしい2カラットの石を、国内でも1000万円ほどで買うことができます。もっとも最近ではミャンマー産非加熱サファイア自体、国内でめっきり見なくなりましたが・・・目にする高級サファイアの大半はスリランカ産で、しかも加熱品ばかりです。

このような理由で私は今モゴックの産非加熱サファイアにも注目しています、長い目でみればきっと良い投資になるでしょう。

ミミャンマーで採掘された8カラットのサファイア原石、カットすると5カラットほどになります

(ミャンマーで採掘された8カラットのサファイア原石、カットすると5カラットほどになります)

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