Look for a clean stone

新型肺炎と実物資産

2020年2月26日

みなさんこんにちは。

先週は弊社メルマガで「新型肺炎と株価」と題し、
いま流行しつつある新型肺炎が株価に与える影響など、
お話しいたしました。

今回はその続編として、新型肺炎が実物資産に対して、
与える影響について考えてみたいと思います。

まずは金(Gold)からです。

日本の連休中にイタリアや韓国で新型肺炎の患者が急増したこともあり、
週明けの世界株は大荒れです。

アメリカやヨーロッパ、そして日本でも週明けから4%~5%ほども
下げています。

一方で金はどうでしょう。

2/24に一時1オンス=1680ドルを上回り、
現在(日本時間2/26の11:00)は、同1640ドル前後で
推移中です。

1680ドルと聞いてもピンとこないかもしれませんが、
この水準は2012年の末以来8年ぶりの高値です。

2012年以前をさかのぼれば、2011年に一時1オンス=1900ドルに
タッチした時期がありそれが史上最高値です。

つまりこのコロナ禍のなか金の価格は史上最高値まで、
あとわずかなところまできているのです。

貴金属相場の上昇については、このメルマガで何度か触れてきましたが、
足元の加速には新型肺炎の影響があることは間違いないでしょう。

つまり安全資産への逃避です。

ではほかの実物資産はどうでしょう。

残念ながら例えばコインやカラーストーンなどは、
貴金属と違って日々取引所で売買されているわけではありません。

たしかにオークション相場の変化は一つの目安になりますが、
貴金属のように四六時中商いが成立しているわけでもありません。

さらにコインにしろカラーストーンにしろ個体差が大きく、
相場の指標化は至難です。

ですから金や銀のように、
新型肺炎の影響をリアルタイムで測定することはできません。

ただし体感としてとらえることは、
さほど難しいことではありません。

コインなら、
週に一度は必ず世界のどこかでオークションが開かれていますし、
コイン商の店頭でも売買されています。

カラーストーンも同様で、
オークションやバイヤーから得られる産地の情報によって、
大きな相場の流れを把握することは可能です。

上記のような情報を総合すれば、少なくとも
株価のような混乱や動揺はまったく見られません。

むしろ逆に貴金属同様リスク回避のマネーが、
流入する兆しさえみえます。

2008年のリーマン・ショック時に、
これら実物資産は株とは違った値動きをしましたが、
どうやら今回も似た値動きになりつつあるといえるでしょう。

コインにしてもカラーストーンにしても流動性が低く、

  • 売買に関する手数料の高さ
  • 売買に関する手数の多さ

といった短所があります。

ただしその短所が逆に新型肺炎のような短期的なショックから、
実物資産を隔離しているともいえるでしょう。

さらにコインやカラーストーンは市場が小さく、
そもそも大規模な投機マネーや機関投資家のマネーは入りません。

その点もまた感染症からの防波堤になっていると
いえるでしょう。

以上のような観点で僕などは、
平時における「資産の質的分散の重要性」
を再認識せざるを得ません。

では今回はこのへんで。

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