Look for a clean stone

中国経済の減速と中国コイン、そしてスピネル

2019年8月2日

みなさんこんにちは。

今年に入り中国経済の減速が目立つようになってきました。

7/16に発表された4-6月期のGDP成長率は+6.2%と、
統計を遡れる1992年以降で最低の数字でした。

製造業の景況感も悪化しており、
昨日発表があったPMIは49.7にとどまりました。

注)PMI:製造業購買担当者景気指数、製造業の現場担当者から
景況感を聞き取り調査したもので、景況感を測る指数としては
信頼性が高い指数です。50を超えると改善していると
考えられます。

しかも中国の景気減速は、いくつかの要因が重なったもので、
いわば複雑骨折のようなものです。

まずは少子高齢化です。

わずか数年前まで「一人っ子政策」をとっていた国ですが、
逆にいまでは生産年齢人口が減り始めています。

心配なのは年金制度です、経済成長が急だったため、
いまだに社会保障の整備が遅れていますが、このまま高齢化時代に
突入してしまえばいったいどうなるのでしょう。

日本も他人の心配をしている場合ではありませんが、
もしかしたら年金や健康保険に対する不安は、
私たち以上かもしれません。

二つ目は社会全体の債務の拡大です。

特に心配なのは企業と地方政府が抱える債務で、
その合計は昨年時点で220兆元(約3500兆円)に達しています、
2013年時点では120兆元ほどでしたので、すさまじい勢いで
債務が増えているといってよいでしょう。

債務拡大を抑制しようとすれば景気が減速し、
景気刺激策をとれば債務の拡大です。

三つめはアメリカとの貿易摩擦です。

特に対米依存の高い製造業の不振は深刻で、
外資系企業には海外に工場を移転する動きもあります。

米中貿易摩擦は一過性の問題ではないだけに、
今後も中国経済に悪影響を与え続けるでしょう。

このように中国経済は構造的に低成長時代に入って
ゆきそうにも見えますが、中国人の投資行動という
視点から見ると、少し違った景色が見えてきます。

例えば中国の個人投資家が好む、
中国コインです。

先日都内であるコイン・オークションが開かれました、
出品コインで注目を集めたのは、1900年代初頭に、
中華民国で発行された金貨です。

意外なことに中国人は銀貨を好むようで、
いままで金貨はさほど人気がありませんでした。

今回はその金貨が7枚もまとめて出品され注目を集めました、
僕自身もあるクライアントからの依頼で代行入札したのですが、
まったく歯が立たず・・・過去の落札相場からみれば
異常なほど高値落札の連発となりました。

同時に銀貨もめぼしいものが2枚だけ出品されましたが、
それもちょっと考えられないような高値がつきました。

カラーストーンでも同じ現象が見られます。

先日ミャンマーでの買い付けから帰国した宝石バイヤーさんに
伺ったところ、あいかわらず香港のバイヤーが、
大きなお金を持って現地に買い付けに来ているとのことです。

特に中国系バイヤーは中国人が好む赤い石を重点的に買い付けており、
とてもではないけど太刀打ちできないと嘆いていました。

中国本土から香港までおカネを持ち出せば、
あとはどうにでもなります、あいかわらず中国人は
活発に石を買っているのでしょう。

ルビーの良い石はめっきり少なくなりましたが、
それでもレッドスピネル、ホットピンク・スピネルなどは
まだまだ現地で売りに出ます。

おカネさえ出せばですが。

経済が減速していても・・・
経済が減速しているからこそ、
今のうちに人民元から現物資産へ移しておこうと
彼らは考えているのかもしれません。

しばらくこの動きは続くと僕は思います。

では今回はこのへんで。

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